オナカのチカラ

腸活を支える腸内フローラを学ぼう

オナカのチカラ
腸

ルミナコイドとは?

小腸で消化・吸収されにくく健康に役立つ成分として、代表的なものは食物繊維です。しかし、食物繊維と似たような働きを持つ成分は他にもあるため、これらの成分を包括的に指す新しい概念として、日本食物繊維学会は「ルミナコイド」を提唱しました。

ルミナコイド

ルミナコイドとは「ヒトの小腸内で消化・吸収されにくく消化管を介して健康の維持に役立つ生理作用を発現する難消化性食物成分」のことです。

また、ルミナコイドは「プレバイオティクス」でもあります。プレバイオティクスとは、腸内細菌の食べ物となって健康に必要な成分の産生を促す食物成分を指します。

乳酸菌サプリなど、健康に有益な作用をもたらす細菌である「プロバイオティクス」と、ルミナコイドである「プレバイオティクス」が最も異なる点は、“短鎖脂肪酸の素となるか否か”です。

ルミナコイド(=プレバイオティクス)は、
細菌たちが食べることで短鎖脂肪酸を産み出す
ことができる食物成分です。

腸

ルミナコイドの機能

ルミナコイドの持つ機能は、大きく2つに分けることができます。

ルミナコイド自体が持つ性質による機能

ルミナコイドは消化・吸収されにくいため、腸内でさまざまな影響を及ぼします。

特に便のかさを増やして排便を促したり、炭水化物や脂質の消化・吸収を遅らせたりします。糖や脂質などを吸着して、体の外に排出する働きもあります。

ルミナコイドの機能

腸内フローラの栄養としての機能

ルミナコイドは、腸内フローラの栄養として欠かせません。腸内細菌はルミナコイドを食べることで、短鎖脂肪酸などの代謝物を産み出します。

短鎖脂肪酸は、大腸のぜん動運動を促すエネルギー源となる、免疫機能の調整、血糖値やコレステロールの上昇抑制など、健康に関係するさまざまな役割を果たす栄養素です。ルミナコイドの摂取が短鎖脂肪酸を産み出し、健康維持につながります。

ルミナコイドの摂取
腸

どうしたらルミナコイドを摂取できるのか

ルミナコイドは、1日25〜38g摂取する必要があると考えられています。

日本人の場合、平均摂取量は1日18.8gですので、足りているとは考えにくい状態です。

ルミナコイドの摂取量が減ってしまうと、腸内フローラがつくりだす短鎖脂肪酸の量が減ってしまうだけでなく、腸内フローラの多様性が保てなくなり、腸 内環境が乱れてしまうため、ルミナコイドを積極的に摂取する必要があります。

ルミナコイドは、穀類や豆類、芋類、バナナ、玉ねぎ、ニンニクなどに含まれま す。腸内細菌は大腸の広範囲に棲み、多種多様であるため、エサとなるルミナコイドも、広範囲に届くよう、特性の異なるものを多種多様に摂る必要があります。

腸内環境の乱れ
腸内環境の乱れ

​マウスの実験では、飢えた腸内フローラは
粘膜を食べてしまい、バリア機能を低下さ
せるという報告もあります。

ルミナコイドが短鎖脂肪酸を産み出す ルミナコイドが短鎖脂肪酸を産み出す

ルミナコイドは、種類ごとに分子サイズや分子構造や水溶解性(水に溶けやすい)など 特性が異なり、それにより届く腸管部位も変わります。さらに、酪酸、プロピオン酸、酢酸などの各短鎖脂肪酸の産生率も変わります。

1つの食材に偏ることなく、
さまざまな方法で多様な種類の
ルミナコイドを摂取しましょう。

ルミナコイドが必要